「しかし、結局イノベーションはそこまでの段階に達してはおらず、ヒトは日々の労働にあくせくするという構造が何も変わってはいない」そう、読者からは聞こえてきそうだ。しかし、ここであえて問いかけたいのである。本当であろうか?
私は今、この文脈において「ブロックチェーン」に大いに注目している。つまり、こういうことだ。―ブロックチェーンを支えるネイティブ暗号資産であるビットコインとイーサリアム。この二つはすでに市民権を得ており、世の中から消えることはないわけだが、これらを巡り出来上がっている取引市場で、24時間稼働し続ける自動売買システムを個人が持ち、活用できるようになったらばどうなのか。
例えば1日に1万円でも利益を着実に上げることができるならば、やがて私たち人類は「明日の糧を得るための労働」からは解放されることになるのである。これは、ついに訪れた「左派の勝利」なのではないだろうか。
トランプ一族は総出で仮想通貨・暗号資産に熱心に取り組んでおり、すでに巨利を得ていると聞く。「左派批判」で喧やかましい同大統領だが、実のところこの意味での「近未来の真実」を一番知っている、正真正銘の左派は他ならぬ彼なのではないか。そう、私は思うのである。
原田武夫 はらだ・たけお
元キャリア外交官。原田武夫国際戦略情報研究所代表(CEO)。情報リテラシー教育を多方面に展開。2015年よりG20を支える「B20」のメンバー。
※『Nile’s NILE』2025年12月号に掲載した記事をWEB用に編集し、掲載しています。

